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旭川市と進める女性活躍推進イベント、「自分の幸せは自分で作る Mint」開催レポート【前編】

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新規事業開発部では、地域ならではの課題をデジタル技術の活用で解決し、地域の暮らしを守る取り組みをしています。

今回は、旭川市女性活躍推進部と連携したイベント「自分で自分の幸せを作る『Mint-ワタシはここにいる』」について、開催レポートを前後編でお届けします。前半であるこの記事では、イベント企画に込められた思いや、イベント1日目、2日目の様子をレポートしていきます。

イベント「自分で自分の幸せを作る『Mint-ワタシはここにいる』」キービジュアル

イベント「Mint-ワタシはここにいる-」とは

自分で自分の幸せを作ることを目的としたイベント「Mint-ワタシはここにいる」は、2023年9月15日(金)、10月13日(金)、10月20日(金)、11月14日(火)の4日間、ラックが運営する旭川のコワーキングスペースWorcu-pet(ワークーペ)にて対面で実施しました。

4日間の座学やワークショップを通して、参加者が「起業」や「働く」ことを深堀しながら、今の自分とこれからの自分を幸せにするために必要なことを考えます。「起業をしたいけれど何からやればいいの?」、「起業以外の選択肢(副業やフリーランス)と起業は何が違うの?」、「本当に自分を幸せにする選択肢は起業なの?」といった思いを持つ、旭川市内の起業を視野に入れている女性に参加いただきました。

ちなみに、このイベントの名称「Mint」はギリシャ神話に由来しています。昔々、メンテという美しい妖精がおり、その美しさに冥界の神ハデスは心を奪われました。これに嫉妬したハデスの妻ペルセポネが、メンテを草に変えてしまったそうです。それでもメンテは良い香りを放つことで、人々に自分の居所を知らせました。

現代の女性が、自分の意思でやりたいことをやりたいタイミングで実現し、心地よく生きることが難しいときもあります。どんなフェーズであっても、「ワタシはここにいる」と自分の存在を知らせ、またそれができる環境になってほしいという願いを込めて、イベントの名前にしました。

イベント開催の背景

このイベントを開催することになったきっかけは、昨年の冬に旭川市から「女性の活躍を推進するための部署ができる予定」という話を聞いたことでした。そこで、自分自身を振り返りながら、女性の活躍について考え始めました。

ラックにフルリモートで正社員として勤務しながら、育児をする働き方にたどり着いたのはこの10年弱の間です。それまでは、仕事で活躍したいけれど状況的になかなかできず、周りの多くの女性がキャリアを止めざるを得ない状況に直面したこともありました。女性がやりたいことをやりたいタイミングでやるために、男性よりも壁が高い現在地を一歩でも進める手段として、イベントを企画することにしました。

イベントを企画するにあたり一番大切にしたことは、「仕事も育児も両立できます」や「起業できます」を謳わないようにしたことでした。その理由は、女性に「現在よりも頑張って武器をつけましょうね」や、「両立をするのが正解ですよ」ということを無意識のうちに強いることを避けたかったからです。

そして、本イベントの目的は、どのようなフェーズ(未婚・既婚・離婚・出産・シングルマザー)であっても、自分の幸せとはどんな状態か、またその状態になるために必要な手段や周囲との関わりとは何かを見定めることとしました。それは私自身の体験から来る反省や失敗からきています。もっと早く自分の幸せとは何かを掘り下げ、自分の時間を設計できていたらと思ったからです。

そのため、イベントの主軸を「女性の活躍」の前に自分の幸せとは何か、女性自身の幸せを実現するための手段としてどんな生き方・働き方があるかを見出すことに設定しました。

新規事業開発部のミッションは「街を守る」ですが、それだけではなく地域が安心して暮らせる街であるために、地域で暮らす一人ひとりが豊かである状態を継続していくこともミッションに繋がると考えています。

このイベントを通して、「自分で自分の幸せを作れる女性」を1人でも多く増やしたいという提案を旭川市にしたところ、女性活躍推進部の担当者からお声がけいただき、旭川市に住む起業を考える女性のネットワーク形成支援を目的とした連携をすることになりました。

旭川での仲間との出会い

イベントの内容を検討している段階での旭川市の課題は、女性同士で繋がる機会が希薄だということでした。SNSなどを通してデジタル世界で繋がることはあっても、本質的な情報交換ができる対面での機会が少ないのだそうです。

そこで、イベントは「起業」をキーワードにしつつ、できるだけ女性同士の継続した横の繋がりができる仕掛けが必要だと感じました。

しかし、事業計画や起業について大切なことが参考になる情報として提供できたとしても、旭川市で起業を考えている女性の実態を把握できていません。そんな時に出会ったのが、旭川で女性の起業支援をしているwomom代表の山田貴子氏でした。

womom代表の山田貴子氏
womom代表の山田貴子氏

山田氏と会話するなかで、イベントのコンセプトや背景、現在の日本の女性を取り巻く状況などを説明しました。また、山田氏からは女性の起業支援をする理由や、旭川地域の起業を目指す女性の実態、今後より取り組んでいきたいことなどについてヒアリングしました。

対話を重ねて感じたことは、女性の起業支援という枠組みを設定しながら、山田氏は女性の幸せを全力で後方支援しているということでした。それは、「起業って素晴らしいよ」でもなく「起業が一番だよ」でもなく、「起業」というキーワードを用いながら、これまでの経験をもとに、女性にとっては時に辛い現実に向き合わなければいけない問いかけをしてでも、少しずつ自立していく女性の姿を見ることが山田氏の幸せなのだと感じたのです。

この人しかいないと感じた私は、一緒にイベントを作ってくださいとお願いすることにしました。

いよいよイベントがスタート

連携している「じもじょき.net旭川」のインプットセミナー来場者の中から、今回のイベントにも13名の参加希望をいただき、いよいよ初日を迎えました。

イベントのオリジナルバックと旭川市近郊の有名なカフェのお菓子をセットしたノベルティ
オリジナルバックを作り、旭川市近郊の有名なカフェのお菓子をセットしたノベルティを準備。

DAY 1:起業についてのインプット&自分と向き合う宿題

DAY 1は、「起業と副業の違い」「起業のリスクについて」「起業するにあたって最も大切なこと」と言うテーマで、ラックの又江原が講演しました。

参加者の起業に向けてのモチベーションは様々だと市の担当者から聞いていたので、どのようなモチベーションであっても大切なことや、起業家を目指すイベントではないことを事前に伝え、話の軸としてはマネタイズや事業のアイデアの良し悪しを判断する内容にはしないことにしました。

そこで、まずは起業と副業の違いや起業のリスク、本質的な受益者や事業そのものの価値など、起業をするだけではなく、事業の継続に必要なことを紹介しました。「事業の価値や努力しているかは他人が決める」など、少々厳しいこともお伝えしましたが、皆さん真剣に耳を傾け、一生懸命ノートに向かって気付きをメモしていました。

そしてDAY 1には宿題を出しました。「自分の幸せとは何か」の輪郭を少しずつ明確にしていってほしかったので、自身との対話を深める作業として「やりたいこと好きなこと・やりたくないこと嫌いなこと100個」を考えてもらいました。

DAY 1:ラック又江原の講演の様子

デジタルとアナログのコミュニケーションでネットワークを活性化

DAY 2まで3週間ほど空いてしまうため、Slackを使って参加者同士の交流を深めてもらいました。自己紹介の部屋や全員と雑談できるような部屋、個人的な困りごとを相談する部屋、思ったことを気軽に話せる部屋などのチャンネルを設定し、継続した交流が生まれるような場所を作りました。

ツールに慣れている人からは、「自ら交流する場を提供したい」「SNSで繋がろう」など声が上がる一方、Slackというツールを使って交流・発信すること自体にハードルを感じている人が多そうな印象でした。

その温度差は想定していなかったため、今後継続してMintを実施していくのであれば、ICTツールに慣れてもらうためのステップを用意し、活用方法や利点、練習なども含めて工夫する必要があると感じました。

DAY 2:アウトプットワークへ

DAY 2は、思考を可視化するためのアウトプットワークをメインに設計しました。頭の中で描いていた「こんなことをやりたいな」を言語化することで、一気に現実味が湧く瞬間です。アウトプットしてもらった内容は、DAY 1での講演内容を踏まえた自分の考える起業の基礎です。

  • 事業の「価値は」なんですか?
  • 本質的な受益者は誰ですか?
  • その受益者にとって嬉しいことは何ですか?
  • 具体的にできる行動は何ですか?

上記のような、事業を「やりたい!」だけで始める前に、事業を展開するために洗い出しておかなければいけない根っこの部分のアウトプットをします。アウトプットワークは、それぞれが自分と向き合う集中タイムの後、紙とペンを使ったワークをしました。

ラックの又江原からDAY2のワーク内容を説明する様子
ラックの又江原から、アウトプットの内容をお話ししました
コワーキングスペースでの集中タイム
コワーキングスペースでの集中タイム

womom代表の山田氏や、ラックの地域商社事業室がフォローに入りながら、アウトプットに詰まっているところはどんなところかを探り、思考の整理をサポートしながら、事業を自身で継続するために必要な根っこを見つけていきます。

自分の事業の「価値」を他者がどう感じるかのフィードバックタイム

DAY 2の最後は、アウトプットワークをしたシートを使い、参加者同士でフィードバックをしました。どれだけ自信を持って事業をスタートさせても、他者が価値を感じられないサービスを提供してしまい、理想と現実が乖離してしまうことも多いと、山田氏からアドバイスをもらったからです。

誰かに「それは価値があるの?」と問われることは怖いと感じるのは当然です。だからこそ、自分にとって耳障りのいい意見だけではなく、自身も気づいていなかった価値や、どういう付加価値があるとより良いかという視点で、他者の意見を取り入れる機会が必要だと感じたため、フィードバックタイムを設けました。終了時間を忘れてしまうほど、皆さん熱心に意見交換を行っていました。

DAY 1、DAY 2を終えて

DAY 1とDAY 2を通して、参加者から以下のような意見をもらいました。

  • 他の起業塾や講座等とは違う「前提」の話が、とても興味深く参考になった。
  • 今の自分を改めて掘り起こし、振り返るきっかけになった。
  • これは1番初めに聞くべきだと思った。

概ね前向きな意見が多かったですが、自身の今の状況と起業したい気持ちをどう結びつけていけばいいのか、実生活とどう擦り合わせるか悩んでいる人が多いと感じました。

おわりに

2日間を通して感じたのは、今回のような活動の場を第三者が提供できれば、行動してくれる意欲のある女性が旭川にはこんなにいるのだということです。

意欲を持った女性が集まって自発的にコミュニケーションを取り、互いに自身の未来を見据えたフィードバックができる場を提供できて本当に良かったと感じました。後半は、さらに「自分の幸せを作るために必要なこと」や、その輪郭をはっきりさせる「フォローアップデイ」、DAY 3の様子をお伝えします。

おまけ

旭川市のカフェ「ハルニレカフェ」のご主人に、イベントで提供するお菓子を依頼しに伺ったところ、ご主人からの「そのようなイベントなら、皆さん暖かい飲み物とパンの方がいいでしょう」というご厚意で、暖かいスープとパンを軽食としてお出ししました。とても美味しくいただきました。ありがとうございます!

旭川市のカフェ「ハルニレカフェ」のご主人から提供いただいたスープとパンの軽食

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